日本特殊陶業が東芝マテリアルの全株式を東芝から取得し完全子会社化する。

日本特殊陶業グループは、セラミック素材技術をはじめとするコア・コンピタンスを核としながら新しい分野へのチャレンジを図り、主力の内燃機関事業を強固にすると同時に、非内燃機関事業の規模拡大を図る両輪での事業展開を大きな戦略テーマと掲げ、新規事業の創出に取り組んでいる。

新規事業については、「環境・エネルギー」「モビリティ」「医療」「情報通信」の４分野を注力領域と捉え、セラミック素材技術と親和性の高い領域・事業から本格的な事業化に向けた投資及び製品開発を進めており、中でも窒化ケイ素を利用した電気自動車（ＥＶ）等のモーター用軸受けのセラミックボールでは、システム電圧の高電圧化に伴い市場が拡大しており、そのほかパワー半導体用の窒化ケイ素放熱基板なども有力な事業候補と捉えている。

東芝マテリアルは、ファインセラミックス、蛍光材料応用製品、磁性材料部品、タングステン・モリブデンなどの部品・材料の開発、製造、販売を行っており、特に、ＥＶ等向けベアリングに使用される「窒化ケイ素ボール」やインバーター向けパワー半導体に用いられる「窒化ケイ素放熱基板」は、優れた技術・品質と安定した生産能力からリーディングカンパニーとして今後更なる成長が期待されている。

日本特殊陶業においては、東芝マテリアルが車載・半導体・医療・環境エネルギー分野などで長年培ってきた材料設計技術、プロセス技術及び製品応用技術などを活用することができ、東芝マテリアルにおいては、日本特殊陶業の持つセラミック技術との融合ならびにグローバルネットワークの活用を通じた顧客基盤の拡充・サポート体制強化が期待できるなど、さまざまな面においてシナジーを実現できると判断し、本件株式取得を決定した。

日本特殊陶業は、本件を通じて、東芝マテリアルと共にこれら新規事業の成長を加速させ、グローバルでのプレゼンスを高めていくとともに、両社のポテンシャルを結集し、世界が抱える課題解決に果敢に挑戦し続けることで持続可能な社会の実現に貢献していく。