顧問 浅井 正士
(株式会社コアシグナル代表取締役) |
経歴 |
1980年 |
山一證券株式会社入社(1988年退職) |
1988年 |
株式会社レコフ入社(1994年退職) |
1994年 |
株式会社インターリンク設立(代表取締役) |
2010年 |
株式会社インターリンクを
株式会社コアシグナルに商号変更
当社顧問に就任 |
「時間」とは、過去にどれほど遡ろうと、未来をどんなに進もうと、その流れの速さは一定であるはずです。しかし、企業経営の舵取りをする際の判断指標のひとつとなる「時間」や「時期(タイミング)」という要素は、その姿を変幻自在な浮遊物体のように感じさせるものであります。また、この要素は時として、他の経営指標や外部環境の分析への考察を180度も変えてしまう程の影響を与えることがあります。
企業提携の締結という、経営航行の中で最も重大かつ難解な決断を下す際には、分析するために与えられた資料の中に、決断が正しいかどうかを決定づけるための必要十分条件を満たすものや、絶対的な価値基準が存在するものは殆どありません。経営者は「今」という時の連続する時間の流れの真只中で、常に新鮮な息吹(決断)を企業に与え続けています。それぞれの経営哲学の実践から生まれ出る鋭い「時代認識」こそが、「将来」という時間を読み取り、企業提携を実現させてきた最大の要因だったと思います。
明治から百年以上も全速力で走り続けてきた経済中心の社会、また旧来の勢力を守る役割を果たしてきた諸規制が張り巡らされてきた社会体制が崩壊しつつある現在、今後の百年をどう読めば良いのでしょうか。経済構造は、景気の一循環としてではなく、根底から変容し始めています。伝統や権威だけに支えられた形骸化した情報ではなく、真に価値のある創造的な企画を生み出す情報こそが、21世紀に生き残る企業に求められています。
すでに耳新しくもない「M&A」という言葉に、日本人がまだ冷厳な響きを感じる限り、私たちの存在は不可欠です。日本人が経済活動に合理性を求めながらも、相手の心を大切にしようとする限り、また、公正さを求める限り、私たちの果たす役割は重要な位置を占め続けます。私たちは、この役割に人生を賭け、厳粛な気持ちをもって、「決断」を下す経営者の前に立てればと思います。